第Ⅳ部:AIと学ぶ —— 道具に使われず、道具として使う
対話型のAIは、いまや誰でも使える勉強道具になりました。分からない問題を聞けば解説してくれて、英作文を直してくれて、計画の相談にも乗ってくれる。これからの受験生にとって、AIを使うこと自体は特別なことではなくなっていきます。
ただし、AIは勉強を楽にすると同時に、「楽になったのに力がついていない」という新しい落とし穴も作りました。同じAIを使っても、学力が伸びる使い方と、伸びない使い方がはっきり分かれます。そしてその分かれ目は、AIの機能に詳しいかどうかではなく、学習の原理を知っているかどうかで決まります。
この第Ⅳ部は、第Ⅱ部「学びの原理を理解する」の応用編です。記憶は思い出すときに強くなる。理解は説明することで深まる。学習は振り返りで修正される——この原理を知っていれば、AIをどこに使えば加速になり、どこに使うと学習が消えるのかを、自分で判断できるようになります。
なお、学校や塾、入試でのAI利用にはそれぞれルールがあります。ここで扱うのは日々の自学自習での使い方であり、所属する学校等のルールに従うことが前提です。
どこから読むか
最初に楽になるのに力がつく使い方、つかない使い方を読んでください。第Ⅳ部全体の判断軸——「考える前に聞くか、考えた後に使うか」——をここで作ります。
そのうえで、最も効果の大きい使い方であるAIを「先生」ではなく「生徒」にするに進むのがおすすめです。
悩み別の入り口
解説を読んでもらっているのに伸びないなら、質問の仕方の記事です。丸投げの質問と、自分の理解を添えた質問では、残るものがまるで違います。
計画や振り返りが続かないなら、振り返りと計画をAIと回すが役に立ちます。週次の振り返りの壁打ち相手としてのAIの使い方を扱います。
どこまで頼っていいのか不安なら、AIに任せてはいけない場面を先に読んでください。任せてよい領域と自分でやるべき領域の線引きを示します。
第Ⅰ〜Ⅲ部との関係
順序を間違えないでください。先にあるのは原理で、AIは加速装置です。生活が崩れていれば(第Ⅰ部)、AIがあっても勉強は回りません。学習の原理を誤解していれば(第Ⅱ部)、AIは誤解を高速化するだけです。感情に振り回されていれば(第Ⅲ部)、AIは逃げ場にもなってしまいます。
土台の上で使うAIは、強力な道具です。道具に使われるのではなく、道具として使う。その線引きを、この第Ⅳ部で身につけてください。
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記事一覧
同じAIでも、力がつく使い方とつかない使い方がある——分かれ目は「いつ使うか」
AIの使い方を「考える前に聞く/考えた後に使う」で仕分けられるようになり、楽になっても力が落ちない使い方の軸が身につく。
AIは「先生」より「生徒」として使う——説明を聞かせて、穴を見つける
AIに教わるのではなく、AIに「自分の説明を聞かせる」使い方を覚え、理解の穴を自分で見つけられるようになる。
振り返りと計画は、AIと回すと続く——壁打ち相手としての使い方
週次の振り返りと計画の修正を、AIを壁打ち相手にして回す具体的な手順が分かる。
質問の仕方で、学習効果は変わる——丸投げをやめて「ここまで考えた」を添える
丸投げの質問をやめ、自分の理解を添えて聞くことで、同じ質問の時間でも残るものが大きく変わる。
AIに任せてはいけない場面——線引きを先に決めておく
AIに任せてよい領域と、自分でやらないと力がつかない領域・人を頼るべき領域の線引きができるようになる。