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「勉強力」は把握している?「学力」とは異なる、勉強を進める力

学習法
#学習法#勉強計画

ドリームラーナーズの石原です。今回は「勉強力」という考え方について書きます。

「勉強しているのに成績が上がらない」「やる気はあるのに気づいたら止まっている」「計画通りに進んだことがない」——こうした状態に心当たりがある人は、学力より先に「勉強力」を見直す必要があります。

勉強力とは、教材をこなすスピードと、覚えたことを定着させる効率のことです。これが低い状態のまま「1日10時間やろう」と気合いを入れても、計画は崩れ、成果は出にくいです。逆に、勉強力を把握して適切な計画を組めば、1日の勉強時間が少なくても着実に前に進めます。

勉強力が低い状態とはどういうことか

勉強力が低い状態は、具体的には以下のような形で現れます。

1章や1単元の参考書を進めるのに何週間もかかっている。昨日やったことを翌日にほとんど思い出せない。1日の計画を立てても、実際にこなせるのはその半分以下だ。「勉強した」という感覚はあるのに、何を勉強したか言葉にできない。

こうした状態は、怠けているわけでも、才能がないわけでもありません。「勉強のやり方」が身についていないか、「自分のペース」を把握できていない状態です。多くの場合、経験を積めば改善します。

大切なのは、「自分は今この状態にある」と自覚することです。そこから出発すれば、対策が取れます。

「学力」と「勉強力」は別物です

受験生がよく気にするのは「学力」です。偏差値・模試の点数・志望校との差——これらは現在の学力を示します。ただ、学力と同じくらい重要なのが「勉強力」です。

学力は「これまでに身についたもの」です。過去の積み重ねの結果なので、すぐには変わりません。一方、勉強力は「これからの伸びるペース」を示します。勉強力が高まると、同じ時間で身につく量が増え、結果として学力が上がっていきます。

勉強力が高い生徒は、基礎レベルの参考書を2〜3週間で終え、次の教材に進めます。勉強力が低い状態の生徒は、同じ教材に2〜3ヶ月かかったり、一度やったことを繰り返し忘れたりします。受験までの時間は限られているので、自分の勉強力を把握しておかないと、現実的な計画が立てられません。

勉強力を測る方法

勉強力を測るには、基礎レベルの参考書を使うのが一番です。難しい問題集では、内容の難しさと自分の処理速度が混在してしまい、純粋な勉強力が見えません。基礎レベルなら、「どれだけのスピードで進められるか」「一度やった内容をどれだけ定着させられるか」だけが見えてきます。

具体的には次のことを記録しながら進めてください。

1日に進められるページ数・問題数を記録する。「前日に覚えたことを翌日確認したとき、何割思い出せるか」を毎日チェックする。1章を終えるのに何日かかったかを記録する。

こうして数字で記録すると、「自分は1日に○ページ進む」「覚えた翌日に○割は思い出せる」という自分の基準が見えてきます。これが勉強力の把握です。

はじめは数字が低くても問題ありません。重要なのは、今の自分のペースを正確に知ることです。「こんなに少ししか進まないのか」と焦るより、「今はこのペースで、どう改善できるか」を考えてください。

勉強力は勉強を続けることで上がる

勉強力が低い状態でも、正しい方法で続けることで必ず上がります。上がり方には特徴があります。最初はゆっくりで、ある時点から急に加速します。

理由はいくつかあります。勉強の手順に慣れることで、余計な迷いが減ります。基礎知識が増えると、新しい内容の理解が早くなります。定着した知識が増えると、復習にかかる時間が減り、新しい内容に使える時間が増えます。

指導していると、最初の3〜4週間は「思ったより進まない」と感じる生徒が多いですが、2ヶ月目には明らかにペースが上がっていることが確認できます。これは才能の差ではなく、勉強を続けることで起きる変化です。

勉強力の把握は基礎固めの3ヶ月で

勉強力を把握しながら基礎を固める期間の目安は3ヶ月です。4月にスタートするなら6月末、7月にスタートするなら9月末が目安になります。この期間に、基礎の抜けを埋めることと、自分のペースを把握することを同時に行います。

やる気が高まっている受験開始の時期は、難しい問題集に手を出したくなりますが、勉強に不慣れな状態では逆効果になりやすいです。まず基礎から始めて、自分のペースをつかんでください。

なお、ここでいう「3ヶ月で基礎を固める」というのは、国公立二次試験の記述科目、あるいは、私大一般入試で使う科目を想定しています。私立文系3科目に絞って受験する場合はこれらすべてに当てはまりますが、国公立6〜7科目受験の場合は話が変わります。サブ科目は、学校の授業のペースに沿って基礎を積み上げていくのが現実的で、3ヶ月という枠組みは当てはまりにくいです。また、メイン科目であっても、現状の学力と基礎レベルの乖離が大きければ3ヶ月では終わらないこともあります。「3ヶ月」はあくまで目安として使ってください。

各科目の基礎固めに使う参考書は、以下の学習法ページで紹介しています。

基礎固めが終わったら

基礎の3ヶ月が終わったら、単元学習と本番形式演習を並行して進めます。「単元学習を完璧にしてから演習に入る」という考え方はうまくいきません。単元の仕上がりにはムラが出るのが普通なので、演習で弱点を見つけながら単元学習で補う、という両輪のサイクルを回すことが大切です。

単元学習では、志望校よりひとつ難易度を下げた教材を使うのが目安です。本番形式演習では、問題を解くだけでなく「なぜ間違えたか」の原因まで特定することが重要です。原因がわかれば、次に取り組む単元学習の課題が明確になります。

この単元学習と本番演習の両輪は12月までに集中して行います。12月以降は本番形式の演習を中心に据え、実力を出し切る練習に移っていきます。

つまづきが起きたときは一人で抱え込まない

基礎固めの期間中に、どうしても進まない箇所が出てくることがあります。つまづきは、視点を変えるちょっとしたきっかけがあればスッと解消されることが多いですが、一人で抱え込んでいると思わぬタイムロスになります。3ヶ月という期間はギリギリのスケジュールなので、詰まった箇所は学校の先生や塾の講師にできるだけ早く聞いてください。