ドリームラーナーズの石原です。今回は、なぜ私が「授業をしない塾」を立ち上げたのか、その経緯についてお話しします。
受験勉強の主軸は「自習」にあると考えています
みなさんは「受験勉強」といえば何を思い浮かべるでしょうか。学校で過ごす時間が生活の大半を占める高校生であれば、「受験勉強=授業を受けること」と思う方が多いかもしれません。
しかし、私は受験勉強の主軸は「自習」にあると考えています。学力——つまり試験で得点する力は、自分の頭をきちんと動かすなかで鍛えられていくものだからです。授業はあくまでも、自分で勉強を進めるために必要な知識をインプットする場です。授業を聞いた「だけ」では、学力は上がりません。
私自身の受験生時代を振り返っても、自分ひとりで取り組む時間を大事にしていました。でも、「自習が大事だ」ということは、決して当たり前のことではないのだと、後になって痛感する出来事がありました。
予備校で「授業だけでは足りない」と気づいた
NPO法人が運営する予備校で「館長」(指導責任者)を4年間務めたときのことです。私自身も教壇に立って授業をしていました。
ところが、真面目に授業を受けて、それなりの時間を自習にも割いているはずの生徒が、なかなか伸びないのです。授業態度が悪いわけでも、サボっているわけでもない。なのに、成績が動かない。
なぜだろうと一人ひとりの状況を見ていくうちに、原因が見えてきました。彼らは現役時代から続く「受験勉強の進め方の誤解」を、そのまま持ち込んでいたのです。勉強しているつもりなのに成果が出ない——その根っこには、勉強のやり方自体のズレがありました。
これは授業の質をいくら上げても解決しません。やり方そのものを見直す必要がある。そこで、生徒全員との個別面談の時間を設けて、学習方法を一緒に整理することにしました。
「問題を解いた」と「解けるようになった」は別のこと
面談を始めてみると、多くの生徒に共通する勘違いが見えてきました。「問題を解くこと」と「問題が解けるようになること」を混同しているのです。
どういうことか、少し具体的に説明します。
たとえば数学の問題集を1ページ分やったとします。解答を見て、赤ペンで直して、次のページに進む。これは「問題を解いた」作業です。でも、これだけでは「解けるようになった」とは言えません。
問題が解けるようになるためには、まずその単元のロジック(なぜそう解くのか)を理解すること、そしてキーワードや公式をきちんと記憶すること、この2つを同時に進めていく必要があります。さらに、初めて見る問題に出会ったとき、「これは何を問うている問題なのか」を見極めて、自分の持っている知識のどれを使えばいいかを判断する力も必要です。
この力がないまま練習量だけ増やしても、初見の問題には対応できません。「たくさん解いたのに模試で取れなかった。もっと量をやらないと」と反省する人は多いですが、問題は量ではなくて、一つひとつの問題から何を学び取っているかの方です。
当塾では、解いた問題について生徒に説明してもらうことがあります。「この問題は何を聞かれていて、なぜこう解いたのか」を自分の言葉で説明できるかどうかが、本当に理解しているかどうかの目安になるからです。最初はうまく言葉にできなくても構いません。この練習を繰り返すことで、問題の見え方が変わってきます。
学習計画のズレも、成績が伸びない大きな原因です
面談を続けていくと、学習方法だけでなく、学習計画にも問題があることがわかってきました。
ありがちなのが、「誰かが良いと言っていた勉強法をそのまま真似する」というパターンです。でも、取り組むべき内容は、今の自分の学力と、目指している大学のレベルによって一人ひとり違います。他の人のやり方が自分に合う保証はありません。
学習計画を立てるうえで必要なのは、「自己分析」と「目標設定」の2つです。
「自己分析」とは、今の自分の学力がどこにあるかを正確に把握することです。基礎が固まっていないのに過去問に手を出すのは時間の無駄ですし、逆に基礎ばかりやっていても次のステップに進めません。ここの見極めは、生徒だけではなかなか難しいので、面談のなかで対話しながら確認していきます。
「目標設定」とは、どの大学を、どのくらいの得点で目指すかを決めることです。ここが曖昧なまま勉強を始めると、的外れな努力を重ねることになります。
よくある勘違いに、「難しい問題が解ければ、簡単な問題も解けるようになるだろう」というものがあります。実はこれは間違いです。難関大と中堅大では、問題の作り方がそもそも違います。難関大の問題は複数の単元が絡み合っていて、何を聞いているのか一目ではわかりにくい。一方、中堅大の問題は単元が比較的はっきりしていて、丁寧に解く力が問われます。「競技が違う」と言ってもいいぐらいの差があるのです。ですから、志望校が定まらないと、そもそもどんな勉強をすればいいかが決まりません。
「自己分析」と「目標設定」はセットです。どちらかがズレると、計画全体が崩れてしまいます。当塾では、この2つをマメに確認しながら、生徒一人ひとりの状況に合わせて計画を調整しています。
授業をしない塾として再出発した理由
こうした経験を経て、館長の役目を終えたあと、現在のような「授業をしない塾」として当塾を立ち上げました。
授業を提供する塾はたくさんあります。でも、勉強のやり方を一緒に見直してくれる場所、進路について本気で考えてくれる場所は、意外と少ないのではないかと思っています。私がやるべきは、そこに特化することだと考えました。
当塾は私一人で運営している小さな塾です。ですから、指導は必ず私が担当します。アルバイト講師はいません。担当者によって指導の質が変わることもありません。
裏を返せば、私との相性が合わなければ成り立ちません。だからこそ、こうして自分の考えをきちんと書いてお伝えしています。読んでみて「なるほど」と思ってもらえたなら、まずは初回無料の相談からお気軽にご連絡ください。