Back to Blog

受験期のだるさ・集中力低下は運動不足のサインかもしれない

学習法
#生活習慣#勉強のやり方

ドリームラーナーズの石原です。今回は、受験期に「疲れる・だるい・集中できない」という状態が続いている人に向けて書きます。

勉強量を増やした時期に体の不調を感じると、「勉強のしすぎだ」「睡眠が足りない」と考えがちです。もちろんそれが原因であることもありますが、見落とされやすいもう一つの原因があります。運動習慣の急激な変化です。

部活を引退した受験生や、浪人生活に入ったばかりの人は、それまで毎日あった運動量が一気にゼロ近くになります。この変化が、疲れ・だるさ・集中力低下の正体であることは少なくありません。

運動量が減ると、何が変わるのか

現役の運動部員は、毎日の部活動によって相当量の身体活動をしています。3年生が引退する夏以降、あるいは「勉強のために」部活を途中でやめた場合、その運動量が一気にゼロ近くになります。浪人生も同じです。高校時代は体育や部活で自然と体を動かす機会がありましたが、浪人生活ではそれがなくなります。

問題は、「運動をやめた」という事実を軽く見てしまいがちなことです。体は数週間かけて変化するため、やめた直後はあまり影響を感じません。しかし気づかないうちに、睡眠・食事・集中力のすべてに影響が出てきます。

指導の中で気になるのは、「部活を引退してから集中できなくなった」と言う生徒の多くが、その原因として運動習慣の変化を考えていないことです。勉強量が足りない、意志が弱い、と自分を責める前に、身体の状態に目を向けてみてください。

睡眠の質が落ちる

適度な運動は、深い睡眠(ノンレム睡眠)の割合を増やす効果があります。運動量が減ると寝つきが悪くなったり眠りが浅くなったりしやすく、脳が勉強内容を記憶として整理する機会が減ります。

勉強で身につけた内容は、睡眠中に脳で整理・定着されます。「覚えたはずなのに翌日には忘れている」という状態は、睡眠の質の低下と関係していることがあります。浅い睡眠は翌日の集中力にも影響し、長時間机に向かっていても内容が頭に入らないという悪循環を生みます。

「眠れないわけではないのに、なんとなく疲れが取れない」という感覚を覚えたとしたら、運動量が減ったことで睡眠の深さが変わっている可能性を考えてみてください。

食欲のリズムが乱れる

運動をしていた頃は、消費エネルギーが多いぶん食欲が自然に生まれ、食事の時間も安定しやすい状態にありました。運動をやめると消費カロリーが減り、空腹感が生まれにくくなります。食事のタイミングが後ろにずれたり、食べない食事が増えたりすることで、血糖値の変動が大きくなります。

特に昼食を抜いて夕方にまとめて食べるパターンになると、午後の勉強中に眠気や集中力の低下が起きやすくなります。食後に眠くなりやすい人は、食事の内容よりも先に、食事のタイミングが崩れていないかを確認してみてください。

朝食についても同様です。部活をしていた頃は朝から食欲があったのに、やめてから「朝はあまり食べられない」という状態になっていたとすれば、活動量の低下が食欲のリズムに影響しているサインかもしれません。脳のエネルギー源はブドウ糖ですから、朝食を抜いた状態では午前中の勉強効率が下がります。

完全にやめるのではなく、量を落として続ける

対応としてはシンプルです。運動を完全にやめるのではなく、量と強度を落として継続することです。週2〜3回、15〜30分程度の軽い運動を続けてください。ジョギング・ストレッチ・筋トレなど形式は問いません。勉強の妨げになるほど疲労を残さない強度で、習慣として維持することが目的です。

タイミングとしては夕方が合わせやすい人が多いです。1日の勉強が一段落したあとに体を動かすことで、夜の集中力が戻りやすく、就寝前に適度な疲労感が出て睡眠の質も上がります。自宅浪人でルーティーンを作った体験記でも、夕方に運動の時間を固定することで1日にメリハリが生まれ、合計8時間の勉強時間を確保できた例が紹介されています。

「運動の時間がもったいない」と思ったとき

運動に使う30分を勉強に回したほうが効率的だ、と感じることがあるかもしれません。しかし、運動不足で質の下がった状態で机に向かう時間を増やしても、学習効果は上がりません。

「勉強のために運動をやめた」のに集中できない・成績が伸び悩んでいるとしたら、その一因として運動不足を疑ってみてください。まずは週2回、散歩でもいい。その小さな習慣が、長い受験期間の勉強のペースを支えることになります。

なお、運動が脳の働きにどう効くのか、その仕組みから知りたい人は運動は「勉強の邪魔」ではない——脳の働きから考える、受験生の運動の役割も読んでみてください。