ドリームラーナーズの石原です。今回は、模試の活用法について書きます。
模試は、受験勉強でうまく活用してほしいツールの一つです。高校3年間の範囲を受験用の難易度で出題してくれる試験は模試ぐらいなので、ほかでは得られない学習の気づきが得られます。
ただ、模試の高得点が勉強のゴールではないことを意識してください。あくまでも模試は、本番である入試の劣化コピーにすぎません。出題範囲が限定されていたり、問題のレベルが調整されていたりと、模試は実際の入試とは条件が異なります。また、一般的な模試は受験者層が幅広く、あなたが志望する大学群を目指している受験生だけが受けているわけではありません。偏差値や判定は「その模試の受験者全体の中での位置」であり、実際の入試で競う相手との比較とはズレが生じます。
一方で、「東大模試」「京大模試」のような冠模試は逆の問題があります。傾向は本番に合わせてあるものの、受験者が浪人生・上位層に偏るため難易度が高くなりがちで、現役生が生半可な学力では1割の点数も取れないことがあります。だから模試の判定だけを根拠に安心したり絶望したりするのは危険なのです。自身の志望校の過去問を解いたほうがはるかに生産的です。
模試を利用する受験生には「弱点の発見に活用する」という視点でいてほしいと思います。弱点の発見に繋がる模試受験の工夫をご紹介します。
模試の問題は3つに分類して復習しよう
模試の最中に問題を「正解を確信して解答した」「なんとなく解答した」「全くわからなかった」と、解答の自信に応じて3段階で分類すると復習のポイントが見えてきます。
実際に、解いている最中に、○△?の3つのマークで、自分の手応えを分類していきましょう。模試の復習は、受験している間から始まっています。
正解を確信して解答した問題
自身をもって解答した問題が実際に正解だったなら、特に復習すべきことはありません。もし不正解なら、自分が間違えた理由を理解しておきましょう。もし、誤った知識を学習してしまっているなら、修正が必要です。同じように誤った思考の道筋をたどることによる失敗の再現を防ぎます。
なんとなく解答した問題
実際の正解・不正解に関わらず、解説を確認しましょう。運も実力のうちですが、再現性がありません。「正解に到る着想を偶然見つけた」「なんとなくやっていたら解けた」「当てずっぽうでやったけど正解だった」といったラッキーは、全て不正解とみなして謙虚に対策をしたほうが得策です。
全くわからなかった問題
模試の復習のポイントではありますが、自分の目標点数に応じて精度をコントールしましょう。
7割程度の得点率を目指している生徒が、難問を解けるようになる必要はありません。真面目な生徒ほど陥りやすい罠です。模試では、本番に近い状況で問題の見極めをする練習をしておくと問題のとりこぼしを防ぐことができます。
自分の解くべき問題が全くわからなかった場合、その主な原因は「必要な知識を持っていない」や「解答の道筋を見つけられなかった」といった2つです。
解説を見た時、自分の知らない言葉やロジックが書かれていたら「必要な知識を持っていない」ということです。知識がないのに問題を解けるわけがありません。模試をきっかけとして自分の弱点が見つかったとポジティブに考えて、日頃の勉強で補っていきましょう。
一方、解説を見ればわかった問題は「解答の道筋を見つけられなかった」ということです。解答の道筋のつかみ方は解説に書いてあるので、本番で再現できるように理解しておきましょう。
ケアレスミスは直せない?「実質正解」だからスルー?
「書き間違い」や「誤読」など、いわゆるケアレスミスをスルーしてしまう生徒が少なくありません。確かに、ケアレスミスには予防が難しいという側面があります。
ただ、よくよく分析すると手抜きを原因とするケアレスミスの存在が浮かび上がってきます。数学で筆算を書かない、英語の長文に書き込みをしないなど、これらは単なる「手抜き」です。正確に解答するうえで必要な作業をサボっているにすぎません。
ケアレスミスもスルーせずに、隠れている自分の弱点として受け止めましょう。得点率の足を引っ張るケアレスミスに悩まされているなら、まずは手抜きをしていないか見直してみると突破口が見つかると思います。
大問ごとの所要時間は隠れた弱点の手がかり
もう1つ、模試の受験中に自分のストップウォッチなどで解答の所用時間を大問ごとに把握しておくことをオススメします。正答できた問題の中に潜む弱点を見つけることができるからです。
問題に正答できていても、時間をかけ過ぎたなら正しい解き方をしていないということです。一つの問題で時間を浪費してしまえば、本来であれば解ける問題に正答できなくなってしまいます。時間をかけ過ぎた問題については、適切な解き方を確認しておく必要があります。
試験は「解き方」も重要です。「正解すればいい」という短絡的な思考は学力が伸び悩む一つの原因と知っておいてください。
年度の前半の模試は必要性を検討して
高校3年間という広範囲から難易度調整されたうえで出題される模試は、自宅学習では再現が困難です。ただ、模試の価値の1つが「出題範囲の広さ」にあるとするならば、年度の前半に実施されるものは範囲が狭いため受験は検討の余地があります。必要に応じて模試を受験して、意外な弱点の発見に活かしていきましょう。
しかし、弱点の発見には、自分を客観視するという高度な認知が必要です。自分を客観視することは大人でもできない人が少なくありません。高校生にとってなおさら難しいと思います。学校・塾・予備校など、模試について丁寧に解説してくれる大人がいれば是非とも活用してほしいと思います。
もし周りに頼れる大人がいない場合、コーチングサービスを利用することは一つの選択肢です。自分を客観視するための外部の視点を持てると、模試の活用精度が上がります。