ドリームラーナーズの石原です。「将来の夢がない」という高校生から相談を受けることがよくあります。今回は、夢がない状態でも進路選択を前に進めるための、具体的な行動についてお話しします。
夢がなくても、勉強は続けていい
「将来の夢がない」からといって、自分がダメだとは思わないでください。夢が決まってから動こうとすると、永遠に動けなくなります。
夢は探すものではなく、動いた先に気づくものです。「勉強ができていれば、今すぐ夢がなくてもいい」という面もあります。ただ、大学進学を考えるなら、「なぜ大学に行くのか」という問いには、いずれ向き合うことになります。
その問いに答えるためにもっとも効果的なのは、実際に大学に足を運ぶことです。
「見てから考える」が正しい順番
「夢が決まってからオープンキャンパスに行こう」と思っていませんか?それは逆です。
見てから考えるのが正しい順番です。キャンパスに立って、学生の雰囲気や建物や授業の空気を肌で感じて、初めて「ここは合う・合わない」という感覚が生まれます。その感覚の積み重ねが、進路選択の軸になっていきます。
ただ、「まだ何がしたいのかもわからない」という段階なら、最初に選ぶ大学は学部学科が多い総合大学、できれば全学部が一つのキャンパスに集まっているところをおすすめします。1回の訪問でさまざまな学問の雰囲気に触れられるため、「理系・文系」「研究志向・資格志向」のような大まかな方向感を肌で感じるのに向いています。候補が絞れてきたら、そこから特定の大学・学部を深掘りしていく、という順番が効率的です。
大学で見るべきポイント
実際に大学を見るとき、何に注目すればいいか整理します。モチベーションは人それぞれなので、自分に近いところから始めてみてください。
研究・学問への興味がある人
学部・学科のホームページで「研究室一覧」を探してください。どんなテーマの研究が行われているかを見るだけで、「この大学で何を学べるか」がかなり具体的になります。
オープンキャンパスでは、教員や大学院生が研究を紹介してくれるコーナーがあることも多いです。専門的すぎてわからなくていいので、「こういう問いを研究している人がいる」という体験が刺激になります。
カリキュラム・授業の内容が気になる人
シラバス(授業の内容一覧)を公開している大学が増えています。実際にどんな授業があるかを調べると、「1・2年次は何をするか」「専門科目はいつから始まるか」がわかります。
看護・教育・工学など、資格取得や就職と直結した学部は、カリキュラムが進路と密接につながっています。ここを軸に比較するのが有効です。
大学そのものの雰囲気を確かめたい人
キャンパスの立地、図書館の広さ、学食のメニュー、学生の服装や歩き方。どれも「4年間ここで過ごせるか」を判断するための情報です。
在学中の先輩に話を聞けるブースがあれば、積極的に活用してください。「実際のところどうですか?」という率直な質問が一番参考になります。
就職・キャリアから考えたい人
就職実績を調べてみましょう。大学のホームページに掲載されていることが多いです。どの業界・企業に卒業生が進んでいるかは、その大学と社会のつながりを示しています。
インターンシップ支援やキャリアセンターの充実度も、大学選びの参考になります。
オープンキャンパス以外の手も使う
年1〜2回のオープンキャンパスを待たなくても、動ける方法はあります。
オープンキャンパスの日程検索には、スタディサプリ進路やマナビジョンが使いやすいです。地域・学部から絞り込んで探せます。
複数の大学をまとめて比較したい場合は、合同説明会が効率的です。進学サミット(文科省後援)や大学進学フェスタのような合同相談会、ユニフェスオンラインのようなオンライン形式の説明会も増えています。
ただし、合同説明会は大手出版社や予備校が主催しているケースも多く、特定の教材や大学を推薦する意図が含まれることがあります。参加前に主催者を確認し、大学側が主体となっているものや文科省後援などの公的なものを優先すると、より中立な情報が得やすいです。
研究室を直接見たい場合は、オープンキャンパスとは別に「オープンラボラトリー」や研究室見学プログラムを実施している大学があります。
- 東京大学「東大の研究室をのぞいてみよう!」
- 北海道大学 総合イノベーション創発機構 オープンラボラトリー
- 千葉大学 ハドロン宇宙国際研究センター 研究室見学
- 信州大学 基盤研究支援センター オープンラボラトリー
これ以外にも、各学部・研究センター単位で高校生向け見学プログラムを実施している大学は多くあります。気になる大学のホームページを定期的にチェックしておくとよいでしょう。
動いた分だけ、選択肢が増える
夢がない状態で大学を見に行っても意味がない、とは思わないでください。見に行くから、夢の手がかりが見つかるのです。
10校見れば10校分の情報が手に入ります。1校も見ずに「なんとなく」で決めるよりも、はるかに納得感のある選択ができます。
足を運ぶことには手間がかかります。でも、その手間こそが、「なんとなく」から抜け出す第一歩です。